―もっと、刺激的な恋を。―

｢い、行ってきますっ!!｣
そう言って慌ててローファーを履く
今日から高校１年生になった
高橋空来

使い古した赤い縁のメガネ
伸ばしっぱなしの背中まで伸びた髪の毛は、後ろでひとつ結び
きっちりとボタンをしめて走り出す
青空、澄んだ空気、新しい私になるって決めて、私は進む


ｶﾞﾗﾗﾗｯ
寝坊気味だった私は、ギリギリの時間の登校
教室に入ると、もうほとんどのグループができあがっていた
あそこは、おしゃれさんが多いな…
あそこは、頭が良さそう
あそこは…私とは正反対の明るい子達
みんなみんな、私が入れるような雰囲気じゃなかった
また
また独り
独りぼっち

大丈夫…
もう慣れたよ

席に座るとひとりでずっと下を向いていた