何か言いかけた私を真っ直ぐ見る鬼神。
「…………」
だけど言葉なんて出てこない。
自分が今、何を言いたいのかも分からない。
「まぁー俺はお前がなに考えてんのかなんて知らねぇけど」
いきなりそう言ってヨイショとか言いながら
バイクから降りた鬼神。
「俺は言ったことは曲げねぇ」
いつか聞いたセリフ。
「うじうじ考えてひとりで悩むくらいならやめちまえ」
いつも私を真っ直ぐ見るこの男。
「やめらんねーなら、俺らを頼ればいーんだよ」
許されるなら、
そうしたいと、強くおもった。
こいつらは全てを聞いても、
それでも私と居てくれるんじゃないか
そう錯覚するほど
優しい笑顔だった。