あの後、ユメはなにも言わなかった。 それからしばらくして鬼神たちが帰ってきて みんなでご飯を食べて いつも通り鬼神とハルトに送られた。 もう自分で乗り降りできるバイク。 降りようとした瞬間 「おい」 鬼神が振り返りもせず声をあげた。 「なに?」 なんだろう? 声から不機嫌さは感じられない。 「…お前なんかあったか」 そう言って振り返った鬼神は 優しい表情をしていた。