「ん…あれはなんだ。」
駆け寄ってみると
タオルと洋服だった
これは、高野たちが
昨日着てた服だな…
事件はおそらく…
昨日起こったんだな…
まだ並田は疑われる立場の
ようだ。
「おい、あれはなんだ。」
黒い棒のようなもの
結構な長さだ
あれは…
オールだった
ボートをこぐときに
使うあれ。
即座にゴムボートなどを
探したが
見つからない
これだけじゃあ…
わからない。
「警察に連絡だ」
「えっ…俺は何もっ…」
「分かってる、でも
これだけじゃあ何も
わからないんだ。
地元警察に協力を
あおぐしかないだろ」
その後、ゴムボートは沖合で
帰らぬひととなった
高野と一緒に見つかった。
あの後葬儀が行われた
日本に帰ってからは
質問攻めにあった
報道陣から
毎日のように
質問された。
そして
世間がその事件を
忘れかけたとき
地元警察などは
宮下の捜索打ち切りを
発表した。
宮下の両親からは
ふざけるなと言われた
危うく殴られるところだった
当然なのかもしれない
でも、俺はどこかで
宮下が生きているような
気がしていた
俺は…
もう一度あそこへ行って
宮下を捜す…
「並田…お前も一緒に宮下を
捜そう。」
「ああ…絶対みつけてやる」
地元警察はあてにならない
つくなり海岸へと
向かった
宮下がまさかこんなとこに
いるはずはない…
でも、海岸を目で確かめたい
と、何故か思った
海岸には当然のことながら
洋服やオールは消えていた
その代わり、人を見つけた。
あれは…清原
俺の班に入ろうとして
女子に断られたやつだ
「どうしてこんなとこに
いるんだよ」
並田がきくと
「それはこっちも
聞きたいね」
「俺はあんたに
聞いてるんだ」
「宮下の捜索さ」
「「…」」
俺達は思った。
なんでお前が!?
「なんでお前が捜索なんて
してるんだ!」
「おや?クラスメートが
行方不明になって
心配するのが
おかしいかな?」
普通わざわざここまで
こない。
「君達はどうしてだね?」
こいつの喋り方…
上から言われてる感が
ハンパないな…