「好きだからですよ」


彼は、当たり前!というような顔をして
私に微笑んだ。


どうしてだろう。
どうして、やっと忘れられたのに。

また彼に心が近寄っていく。




「いいよ、そーいうの」


「ん?何がですか?」


「好き...とか」




彼は、食べるために動かしていた手を止めて
私の方を向いた。








「別れたからって簡単に忘れられるほど...
先輩への気持ちは軽くねぇーよ」









私は。
なぜ彼をふってしまったのだろうか。

こんなにも想ってくれていたのに。
私は、ただ彼を傷つけただけだ。