1年生で、バスケ部のマネージャー。




 聞いた単語を考えると、一人の女の子が思い浮かんだ。



 1年の中で一番可愛いと言われている女の子。



 後輩とかをそんなに知らない私でも知っているくらい。






 廊下で1度だけ見かけたことがある。



 可愛くて、ふわふわしてて、私とは正反対のタイプで。











「そっか。私の知ってる子かな」

「もしかしたら知ってるかもな。マネージャーの中でも凄く頑張ってくれててさ本当可愛いんだよ」











 へへっと笑う慧ちゃんに、私は曖昧な笑いしか返すことが出来なかった。





 胸に感じる、少しの違和感。



 ぎゅって誰かに鷲掴みにされたみたいな苦しい痛み。










「とにかくさ、応援してくれよ!俺、みっちゃんに一番に応援して欲しくてさ!」

「あ、ああ。うん」



「ありがとな」








 そう言うと慧ちゃんは私の頭をくしゃくしゃと撫でてにかっと笑い階段を下った。



 私も数段離れて、慧ちゃんの後を追った。





 後ろから見る慧ちゃんの背中は、なんだかいつもよりも大きく感じた。