俺の名前はレッドリオ・メイタス。

この家、メイタス家の次男でいろんな国の食器や舶来物を扱っている会社の部長をしている。

年は現在30才。

ちなみに長男はマルティリオ・メイタスといい、33才だ。
兄はこの町の中心である駅前広場近くでファミリーレストランを経営しているシェフである。
小さな頃から、この町の子どもたちにお菓子を作るなどして楽しませるのが好きだったが、それが高じてシェフになった。

住まいも店の上階に妻と子どもが3人いる立派な親父だ。
しかし、見た目は俺よりすっきりした感じでいまだに彼目当てでやってくる客も少なくないくらいいい男である。



コンコン!



「母さんか、勝手に入ってくれ。」


「あのう・・・」


「えっ・・・うぁ・・・なぜ・・・君っ!おわっーーー!」



「ご、ごめんなさい。脅かすつもりはなかったんだけど、あの・・・お話する前にズボンをはいてください。」



俺は顔をひきつらせながら必死にズボンを引っ張り上げていた。

母親かと思っていたらエリンが俺に会いに来たなんて・・・。



「な、何だよ。いきなり・・・それに今日は休日だろ。
朝は寝坊したって文句言われる筋合いはないだろ。」



「あなたは休日でも私は勤務中なので今しか時間がとれません。」



「ちょ、ちょっと待て、日曜も君のところは仕事なのか?」



「社員は休みにしている人が多いですね。
でも取締り役や代表は関係ありませんから。

やらないといけないことも多くありますし・・・。」



「そ、そうなのか。で、何の用?」


「あの、あなたがガオンティル社の営業部長で業績が悪いからここに帰ってきたとお聞きしたものだから・・・ちょっと。」



「なんだ・・・喧嘩売りに来たのか?」


「いいえ、情報として知っておられるかと思いまして。」



「なんの?」


「ガオンティル社の営業利益とかどうですか?
前と比べてそんなに売れてない感じがしますか?」



「そうだなぁ・・・うちはあんたとこみたいにきらびやかでもない商品をずっとやってきたから、ものすごい売り上げがもともとあったわけじゃないが、さほど落ち込んでもいないはずだ。

取引先だって前と同じところが多いしな。」



「あの、じゃあ、売り上げは手ごたえとしてはそんなに落ち込むわけはないとおっしゃるんですね。」



「ああ、俺が思うところだけどな・・・。で、何がいいたいんだ?」



「売っておられる方が今まで通りを主張されるのに、設備投資をしないばかりか、業績が落ち込んでいるというのは・・・考えられることは1つだと思うのです。

内部にお金を着服してる人間がいる・・・または、外部のどこかにお金を流している人間が存在している。」



「なっ・・・!」