――そういえば、望乃。最近かまってこないなぁ……。


俺はあの日のワンピースの淡い色をぼんやりと思い出していた。


“だって望乃ちゃん、健吾くんの事好きでしょう”

由紀子さんの言葉を思い出して、むくっと体を起こした。


そんなわけないよ。

ない。うん。


うーん……。


俺はルーズリーフの端に字を書いて机の上を滑らせ、輪にそーっと差し出した。


『輪って、ホラー苦手なんだよな?』

すると輪はきょとんとして、さらさらっと返事を書いた。