「あのー、由紀子さんは、そのぉ…健吾とはどういう?」


俺はドキッとして、少し椅子から飛び上がった。


まったくもって心臓に悪い。

お冷をガッと喉に流し込む。


「あぁ…、あのね!この前のは事故だから、事故っていうか、私が一方的に迷惑かけたんだけど…ほんと話せば長くなるんだけど…。

とにかくね、本当に私は健吾くんとは何もないの」


由紀子さんが必死に弁解している間、望乃はヘンな顔で真剣に耳を傾けて頷いていた。


「やっぱり、望乃ちゃんって健吾くんと?」

「いやいやっ、そういうわけじゃ!」

「ふふ、とにかく安心して!それに私…こう見えてももう27だし…もうカワイイ恋愛なんて出来ないよ」