「いっ」
「けーんご!」
「望乃っ、おま、加減しろよ…!」
びっくりした。
容赦なく叩かれた背中がじんじんした。
憎たらしく、へへんと笑った望乃は、いつも通りの望乃だった。
これは…、怒ってないと取っていいんだろうか?
もう解決したと取っても…
いいよな?
とりあえず俺は少しホッとする。
だけど、何かがおかしい。
なぜか望乃が意味深にニヤニヤしているからだ。
俺は肩から落ちそうなバッグを肩にかけ直し、様子を伺う。
な、何だ?
何を企んでる望乃。
「何か、ニヤニヤしてて気持ち悪いんだけど……いで!」
今度は腕を叩かれた。
「今週の土曜日!」
「は?」
急に望乃が話を切り出したので、俺はあっけにとられてしまった。
望乃は、鞄をごそごそと探り、ある物を俺に見せてきた。