「望乃だけど、まだ怒ってんの?」


あの日から、望乃は俺によそよそしいまま。


今更だけど気づいたぞ。

アイツは相当根に持つタイプだ。


望乃の事だから、次の日になったらひょいっと忘れてしまうかと思っていたのに。


どっちにしろ、こういうモヤモヤした状況をそのままにしておくというのは、気持ちが悪い。


すると、輪がカフェオレをずずっと飲んでから言った。


「何でもいいけど、望乃、悲しませちゃだめだよ」



輪が真面目にそう言うので、俺は間を空けてから、つい神妙に「なぁ?」と疑問を投げかけた。


実は結構前から気になっていた疑問を。


「輪ってさ、もしかして本気で望乃の事……?」