「はぁぁ~。わけ分かんねぇ~」
「健ちゃんは、乙女心がよく分かってないのよ。望乃ちゃん、ああ見えて意外と繊細なんだから」
ゆかりさんが諭すように微笑んで言い、俺の前に竜田揚げ定食を差し出した。
「じゃー俺、あの場合何て言えばよかったんすかー」
「まっ!拗ねないの、この子は。ふふふ。そうねぇ…とりあえず、関係ねぇだろはないかもねぇ」
そう言い、輪にアイコンタクトを送ると
隣で輪も「ないねぇ」と言った。
「もうやだ。女なんてなぁ…」
今日は朝から振り回されっぱなし。
あっちでも、こっちでも。
やってられん。
「まあぁ、やだ。どうしたの?この子」
「変よね」と、ゆかりさんと輪が顔を見合わせ、きょとんと首を傾げた。