すると望乃は哀しそうな顔から、急に不機嫌そうな顔に変わり、急いでおかずを口に入れだした。

「…望乃ちゃ~ん?」


機嫌を取ろうとしても、怒ったハムスターは俺に見向きもしない。


「望乃」

輪がそう呼んだ時、望乃は箸をばしっと置き、立ち上がり捨て台詞を吐いた。


「帰る!バカ健吾!バーカ!」

「はっ、おい、望乃!…つーかお前、勘定!」

「俺が払います」


さっとお財布を出す輪。

俺は悪ィなと一言。


「大丈夫かしら、望乃ちゃん」

ゆかりさんも心配そうに扉の向こうを見つめた。


本当に、嵐が去ったみたいだ。

俺は一気に崩れる。