――とにかく落ち着いて、改めて話をしましょう。
なかなか引き下がらない望乃を何とか撒いて、
俺は大学をサボり(結局)、由紀子さんと駅前の小さなカフェへとやってきた。
ちょうどランチ時なので、そこそこ混んでいた。
天井では、ちょっと洒落たプロペラがくるくる。
カウンターには髭のチョイ悪マスターとでも言った所か。
いい感じの店。
通りすがった事はあるが、入った事はなかった。
由紀子さんがよく来るお店だそうだ。
どうやら俺たちは、最寄り駅が一緒だったらしいのだ。
うーん、もし望乃とかなら、この状況、
運命とかうさんくさい名前で呼ぶんだろうな。