「圭は……。」

と、オーナーが言いかけた時。

「別に、俺は問題ない。」

と、後ろから声が聞こえた。

後ろを振り向くと、ここの料理長……シェフの安部 圭(アベ ケイ)達がいた。

「俺は、コックでも問題ないです。」

それに。

と、女の子を見た圭。

「……その人、料理界から“女神”って言われている松久保 悠莉(マツクボ ユウリ)、ですよね?」

女、神……?

すると、松久保さんと言う女の子の顔が歪む。

「よく解ったな。

実は悠莉、俺の親戚でな。」