友達と遊ぶことも諦めて。

跡取りになる為の、仕事と勉強。

兄は、優しかったから。

自分のことより、他の人を優先してしまうんだろう。

「もう、嫌なんだ!もう……っ、もう……!

うわぁぁぁ!」

涙を流して、叫ぶ兄。

こんな兄を見たのは初めてだった。

兄に、負担を下ろすように。

俺が、跡取りになる様になった。

ただ、そんな俺に罪悪感を持ったのか兄は泣きながら謝ってくれた。

俺は、ただ笑っていた。

「大丈夫だよ。」

と。

当時、12歳。

もう、いろんな醜いことを知っていた。