「何が?」

いつまでも、逃げていくんだ。

「……朝、」

「っ、」

ただ、ただ。

彼女と、重なってしまうんだ。

『朝、もう我慢しなくて良いんだよ?

大丈夫、私が居るからね。』

その、優しい声に何度助けられたんだろう。

思わず、視界が歪んで俺は生徒会室を飛び出た。

「っ、朝!!」

どうしたら、忘れられるんだろう。

いつまでも、頭の中でリピートする声に泣きそうになる。

『朝、好きだよ。』

『朝、愛してる。』

『───朝、ずっと笑顔でいて。』