もう、染まりきらないんじゃかと言う程黒くなった心は。

いつまでも、白くなることはない。

パリンッ────。

「っ、」

ふと、足元を見るとカップが割れ紅茶が飛び散っていた。

「大丈夫!?」

と、凪は椅子から立ち上がり俺の方へ来る。

「うん、大丈夫。」

そうして、また“笑う”んだ。

────バンッ。

いきなり、机を叩いた様な音がした。

「悠、莉……?」

思わず、彼女の名前を呼んだ。

「……貴方、どうしてそんなに笑えるの?」

真顔……だけど、声は“怒り”を含んでいた。