*悠莉side*
「……何、これ……。」
5月────。
すっかり、桜も散り地面もピンクではなくなった。
涼しい風が気持ちを落ち着かせると共に。
仕事が増えた。
私の、生徒会室の机が紙で埋もれていた。
「それ、5月のイベントの企画書類の資料など……。」
そう言って、朝は苦笑いしている。
「何で、こんな一気に?」
私は、書類や資料の束を見つめる。
「皆が、サボっちゃって……。
サボったりしたものは、姫が一緒に行うってことになってるんだ。
注意したんだけど、聞かなくて。」
ごめんね、と、苦笑いを続ける朝。
……朝が、可哀想に見えてきた。