「松久保悠莉さんです。」 そう、呼ばれた。 ……行くしかないわ、よね? 私は、座っていたイスから立ち舞台へ出る。 「今年、転入してきた松久保さんです。 松久保さん、一言どうぞ。」 ニッコリ笑っている圭。 ニッコリ笑う、なんてことないから不自然。 ……まず、あまりの無茶ぶりに私は戸惑う。 やらなきゃいけないわよね。 …私はマイクを受け取り、目を閉じた。 しっかり、考えろ。 冷静になれ。 脳を働かせろ。 ──さぁ。