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「っ」


「好きだから、"修ちゃん"じゃなくて、名前で呼んでほしかったんだよ。」


「っ、…」


な、にそれ。
全身の体温が、急に上昇した。
クラクラするのは貧血のせいか、それとも彼の告白にドキドキしてるせいなのか。


「みかこ?」


「っ、やだ」


あたしのほうへ伸びてきた手を振り払う。
そしてそのまま彼を睨んだ。


「…ずるい」


そう小声で訴えると、彼は苦笑した。


「…すねるなよ」


「すねてない。」


「嘘つけ」


「嘘じゃない。」


少しずつこちらに寄ってくる彼。
どうしてこういう時だけ寄ってくるの。
さっきまであたしのほうが優勢だったはずなのに。



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