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「うん。で、あたしはなんで名前で呼んでほしいのか聞いてるの。」


あたしは首を傾げて彼をじとっと見た。


「空気で読み取ってよ。」


「できないから聞いてるの。」


彼の言葉にあたしは反論する。
こんなに彼につっかかるのは初めてかもしれない。


「あーもうだからっ」


ヤケになったのか、彼はうつ向きながら頭をかき乱し始める。
あたしはその行動に驚いて、少し身を引いた。
すると彼はキッとこちらを向いた。


「一回しか言わないからな。」


「う、うん」


なんだか緊張気味にそう言うから、あたしまで緊張してきた。
なんなの。



「…好きだから」


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