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「…理由言ったら呼んでくれる?」


「気が向いたら。」


「……呼んで、くれるなら言う。」


「…わかった、呼ぶから。理由教えて。」


小さくため息をつきながら、あたしはその場にぺたんと座った。
そして彼を見る。


「…あー、だから」


右手で自分の口を隠しながら、彼は目を泳がせる。



「名前、呼んでほしかっただけ。」



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