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「この前の"大嫌い"って本当?」


「、あれは」


つい口にしてしまった、想いとは裏腹な言葉。
あの時はただ混乱してて、彼がわからなくなって、泣き顔を見られるのが嫌で、ただ必死だったから。


「あれは?」


「あ、あれは…その…」


否定すればいい。
「違うよ。本当は大好きなんだよ」って言えばいいだけなのに。

言ってしまって、それからどうすればいい?

彼が何と返すかもわからないのに、そんな不確かなことをして傷ついて、あたしはそれからどうすればいいの?


「…みかこは」


「、」


名前。





「…俺が、みかこが好きって言ったら、…どうする?」




…え。

彼の言葉に心臓が跳ねた。
今までにないほど、大きく。
その瞬間、目の前が真っ暗になった。
彼が「みかこ」と呼んだ気がした。






お願いだから呼ばないで。
心臓が潰れそう。
もういっそのこと潰してよ。
そしたらこんなに苦しまなくてすむから。



<続>

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