別れたことは知っている。

そう、今私の目の前にいるやつは
伊藤(イトウ)。

私の初恋の相手でもありお姉ちゃんの元彼。

お姉ちゃんは私が伊藤のことを好きと知っていながら付き合っていた。

私は心の底から沸き上がるイライラをおさえながら

「あー、うん。聞いたよ」と答えた。

「そーなんだ。な、お前さ前に俺に告ってきたろ?」

バかにしたような言い方。
何年前の話よ。2年?くらいかな。

「そうだね。そのあとすぐにお姉ちゃんと付き合いだしたよね」

と嫌味のように言う。

「そうだっけ?ま、いいや。
俺さお前を振ったこと後悔してるんだ」

「は?何バカなこといってんの?」

伊藤は何が言いたいの?今更じゃん。
意味分かんない。

「本当だって。好きなんだ。
俺たち付き合わねぇ?」

何バカなことほざいてんだよ。
あんたなんて好きじゃない。
お姉ちゃんを選んだくせに。