「ごめん。なんか傷つけちゃった?」
沈黙を気にしたのか、イブキは恐る恐るといった声色で訪ねてきた。
「いや、大丈夫だよ。――――それより、イブキ。リンさんに会うことって出来ないのかな?」
「兄に、会いたいの?」
「駄目だった?」
「あまり、勧めはしないけど。まあ、ハルカが会いたいなら良いよ。明日、またここに来て。兄に言っておくから」
頷いてから、慌てて声に出して同意する。
「呼ばれてるから、もう帰らないといけないの。また明日、会おうね」
「……うん。絶対、来るよ」
僕の強調した『絶対』に、綺麗な笑い声が聞こえ、そして、突然
プツリと途絶えた。