近くのカフェに入って今日の出来事を2人で振り返ってた。
あのアトラクションが面白かっただとか、あのUFOキャッチャーもう少しだったのに、とか。
他愛もない話しで気を使うことなくこんなに盛り上がれるなんて、久しぶりだった。
いつも相手の顔色を伺いながら話してたから。
一通り話し終えると、私はずっと気になってたことを切り出した。

「望ってさ、人の心が読めるの?」
「え~?そんなこと出来るわけ無いじゃ~ん」

独特ののんびりとした、それでいて嫌味のない語尾の延ばし方で微笑みを浮かべながら答える。

「でもさ、今日私が考えてたこと全部当てられてた気がする」
「だって理沙さ~、思ってること顔にぜーんぶ出てるんだも~ん」

え……?

拓海にフラれた時以上の衝撃が脳に走った。

これまでずっと顔に出さないようにしてたのに、それが出来て無かったって事?
でもこれまではそれでうまくいってたんだからそんなことは…

「ほらほらまた~。今まではこれでうまくいってたのに~って顔してる」

ウソ…。

「誰かの気持ちとか都合とか、そんなの構ってられないほど伝えたかった気持ち、あったでしょ?」