それから私たちは無謀とも言えるスケジュールをこなした。
まず遊園地に行き、乗れる限りのアトラクションすべてを制覇し、
その後隣接しているゲームセンターで、財布が空になるまで遊んだ。
なんで私初対面の男とこんな無茶なことしてるんだろう。ストレス発散してるのかな?
でもなんだろう、物凄く楽しい。

望は本当によく笑う人だった。
私もつられて笑った。本当に、心から笑ってる気がした。

ゲームセンターを出たとき、時計は夜7時を回っていた。
門限は夜8時。ここから家まで最低30分はかかる。やばい、そろそろ帰らなきゃ…

「え~もう帰っちゃうの~?」
「ごめんーうち親うるさくってさ…」

一緒にいる間もずっとそうだったけど、望は本当に私の心を呼んでいるかのような行動をとっていた。
疲れたと思えば「ちょっと座る~?」とベンチへ直行、喉が渇いたと思えば「どっちがいい~?」とジュースを買ってきてくれた。
初めは不思議だったけど、だんだんそれが心地よくなってた。

「じゃあ最後に、お茶でも飲もうよ~」

最後、か。
やっぱりこの出会いは今日でおしまいなのかな…

「いやそうじゃなくってさ、ちょっと話しがしたいだけ~」

ああまただ。また読まれた。