スクールバックを投げる音とスリッパの軽快な音が重なる。
とりあえず、カフェオレかな。
コーヒーメーカーで抽出されたコーヒーを勢いよくカップに注ぎ、
その倍の量牛乳を注ぐ。

ほぼ牛乳だけど気にしない。
いつもなら、クリームものっけるんだけどどうも時間がない。
クリームはあきらめよう。

私は母親に、

「弁当スクールバッグの中入れといて。」

と叫ぶ。
もう一度時計を見てみると、遅刻寸前だった。
母親はスクールバックに弁当を入れながら、

「そういや、吹雪くん待ってるわよ。」

と言った。
一瞬、私の顔が引きつった。
吹雪は、隣に住んでて何かと私についてくる嫌な奴。
エレクトーンもやってるし、同じ風切受けたし…。

中学で一緒に行くのは終わると思っていたのに、
まだ続くのか…。