小学校4年生の頃からつけている日記帳とペンをすぐさま引き出しから取り出し、

海斗に手渡した。


「ここに…サイン書いて」

「サイン?」

「宝物にするから…命にするから…」


海斗はクスッと笑ってひとこと


「いいよ」


と言った。

そして私は日記帳に海斗のサインを手に入れた。

すると、海斗はスゥッと薄くなっていった。


「か、海斗…っ!」

「ごめん…。時間切れだ……」


海斗を掴もうとしても、さっきまであったはずの感触はなく、

ただすり抜けた。


「海斗…っ‼︎」





何も言わず微笑んで消えていった、

いつもと違う海斗の笑顔は

私のまぶたに焼き付いた。