「君達。待ってたよ。君達が双子の生徒かい?」
この人は校長だろうか。
「はぁい。」
お姉ちゃんが女の子らしく可愛い声で返事をした。
「君達は共に3組です。案内しましょう」
お・・同じクラス・・??
その時だった。
お姉ちゃんが足を止めた。
「あの、先生ぇ?この子も同じクラスなんですか?」
「二人とも3組だよ。3組だけちょうど2人足りなかったから」
最悪だ。
最も恐れていた事。
「はい。着いたよ。」
私たちは二人で教室に入っていった。
ザワつく教室。
「可愛い」
そんな言葉を打ち消すようにお姉ちゃんは自己紹介を始めた。
「私の名前は、月乃だよ。昔大阪に住んでたのぉ。」
クラスみんなが「可愛い」と叫んでる。
多分、私の自己紹介なんて誰も聞いてなかったと思う。
「春川心々乃です」
お姉ちゃん、いいな。
私とお姉ちゃんは性格も顔も全部が正反対の双子。
転入初日からあんなに馴染めてうらやましい。
お姉ちゃんが急に歩き出した。
「ねえ、あなたって早瀬羽流君?」
「え・・うん」
早瀬・・羽流?
お姉ちゃんの友達なのかな?
「私、凄く応援してたの」
「あ・・、どうも」
何だか冷たい感じの人なのかな・・。