「心々乃、おはよう」






「結衣。ごめんね。この前」





「全然。大丈夫?」





学校に行くと真っ先に結衣が話しかけてきてくれた。




結衣は初めて出来た友達。




私にとって一番大切な存在かも。





「心々乃ちゃん、おはよう」






この子が・・明菜?



常に笑顔だ。



「明菜って呼んで。よろしく」





「こちらこそよろしくね」





結衣も明菜も凄く優しい。




「心々乃って呼ぶ」




明菜は私と結衣の手をとって教室を出た。




「え?どこ行くの?」




「一時間サボろう」





明菜は不良なんだろうか。


結衣と私は目を見つめて笑った。



これが青春なんだろうか。




明菜は屋上に連れて行ってくれた。




「恋バナしようや」




初めての恋バナ。



多分一生する事がないだろうと思ってた。




明菜が結衣の方へ指をさした。



「え?私から?」




「結衣のん知りたい」




「え・・私は・・。隣のクラスの・・」



結衣の顔は見る見るうちに赤くなっていく。



可愛いなぁ。





「中村勇気。アイツとは幼なじみやねんけど、意地悪やのにたまに優しいねん」




幼なじみとの恋かぁ。


羨ましい。




「じゃあ、次。心々乃」




「え?私もするの?」



「当たり前やん」




私は大きく深呼吸をした。




10年前のあの日の話を全部話した。





「え?」



明菜が驚いたようにこっちに顔を向けてくる。



「早瀬じゃないん?」




何で早瀬君なの?


やっぱりちょっと仲良くしすぎてたのかな・・・。




「早瀬君は・・や・・優しくて・・男らしくて・・凄く良い人・・だよ」





「心々乃可愛いー。そうなんやっ」




結衣と明菜が私の肩をツンツンしてくる。




「だ・・だから違うって」





「そんな顔真っ赤にして言う事じゃないよ」




二人ともほんとにSだ。



私、早瀬君の事好きなわけ・・ない・・よね・・?