「あんた達何してるの」
先生だ。
「先生ぇ?聞いてください。この子ったら水をこぼしてしまって・・。私達が手伝ってたの」
嘘・・。
そんな嘘つかないでよ・・・。
「あら、そうなの。月乃さんは優しいのね」
先生信じてる。
先生が出て教室から出て行くとお姉ちゃんは再び悪魔のように笑った。
「ねえ心々乃。このバケツに水を入れてきてくれない?」
「え・・・」
バケツを持って教室から出た。
バケツの中に水を入れてくると何やら教室が静かになっている。
ゆっくりと入ると先生が突然出てきて大きな手で私を叩いた。
「何て事するんだ」
またお姉ちゃんは先生に嘘をついたのだろう。
お姉ちゃんは目に涙を浮かべている。
叩かれた振動で、バケツの水を床にこぼした。
「月乃さんは君のお姉ちゃんなんだろう。水をかけようとするなんてお前はカスか」
違う・・・。
違うのに。
「月乃さんが当たってしまったバケツで水がかかったからって仕返しは無いやろう。」
先生はあきれた顔で私を見た。
何で私が叩かれないといけないの。
制服がぬれたままする授業はあまりにも寒くて辛かった。