そして片付けが終わり、皆帰る支度をして玄関へ。
「じゃぁ、ごちそうさん、行こうぜ?ハルキ」
「あぁ、愛原…ごちそうさま」
「うん、こちらこそっ」
ノブとハルキが行ったあと、リュウがサンダルを履き終えたサクラと並ぶ。
「じゃぁな?ユイっ」
「うん、あのさ…今日はありがとう?」
「おぅ」
「私もごちそうさま、ユイちゃん」
「いえいえー」
「じゃ…」
そう言って二人も玄関を出る。
ユイは二人に軽く手を振り、後ろ姿を見る。
…そして、ゆっくりと手を下げた。
やっぱり。
この想い……消そう。
このまま持ってても、仕方がない。
二人の間を割って入ってくなんて、
…できない。
想いを伝えることも、間違ってる気がする。
このまま、リュウとはバイト仲間みたいにいたらいいんだよね?
きっと。
そう思ったユイの頬に、一粒の涙が流れた。
私…リュウのこと
あきらめるっ…。