「あっ、お茶ないね?私取ってくるよっ」
そう言ってユイが立ち上がる。
キッチンへ行ったユイの元にリュウが来る。
「ユイっ」
「えっ?なに?」
ユイがお茶のペットボトルを持ち、振り返る。
「あのさ、ハルキから聞いたけど…」
「園田くん?」
「ユイ……ハルキと付き合うのか?」
「…えっ…」
ユイはとまどい、うつむく。
「まだ…わかんない」
「……そっか?アイツいいヤツだから、ユイのこと大切にしてくれると思うよ」
そう言ってリュウは優しく微笑む。
「…う…ん…」
胸が…ズキンっと、鳴った。
リュウの言葉に、ユイは小さく答えるのが精一杯だった。
「じゃ、戻ろうぜ?」
「うん…」
ユイは立ち止まり、リュウの背中を見る。
ーそんなこと、言わないで?ー
一瞬、頭の中にそんな言葉がよぎる。