そこにいたのは、リュウだった。
「リュウ?…ってことは…」
隣にいるのは、サクラちゃん?
サクラも爆笑するように、リュウに笑いかけていた。
「やっぱり…しかも、サクラちゃん浴衣だ…」
やっぱり…似合ってる。
ユイは一旦視線を落とす。
「…来ない方が良かったかな…」
ふとユイが再び視線を上げると、
サクラがリュウの口元に付いた物を取って、
そして、微笑みながら…リュウにキスをした。
「……っ!」
ユイはすぐに視線を落とし、神社に背を向ける。
見てしまった…。
人がキスしてるところ。
しかも…。
好きな人の…。
「…痛い」
胸を押さえ、ユイがもう一度神社の石段を見ると、もうそこに二人の姿はなかった。