そして夏祭当日。
ユイは浴衣には手を伸ばせずに、いつものようなショートパンツスタイルで出ようとしていた。
「やっぱり…ないよね?」
鏡の横においてある浴衣を見ながら
ボソッとそう言うと、下に降りる。
その時ピンポーンとチャイムが鳴った。
「はーいっ」
ユイがドアを開けると、ハルキが私服姿で立っていた。
「よっ」
「うん、今カバン取ってくるね?」
そしてユイはカバンを持ち、二人はユイの家を出る。
「あのさ…愛原っ」
「なに?」
「いやだったら今のうちに言って欲しいんだけど…」
「……?」
「ノブのヤツ、来れなくなったって…」
「えっ…?」
思わずユイの足が止まる。