「…ん?なんだよ?」
「いや…別にっ」
ユイは視線をそらし、二人より先を歩こうとする。
するとユイの家の前に人影が見え、ユイが止まる。
「あれ…誰かいるみたい」
「えっ?誰だよ?」
三人が家の前に着くと、その人影の顔が街灯の灯りで見えてくる。
「……ハルキ?」
ユイの家の前に立っていたのは、
制服姿のハルキだった。
「よっ、お疲れ」
「お疲れ…って、おまえどうしたんだよ?練習帰りか?」
「あぁ」
「なに?俺らのこと待ってたのかよ?
いいヤツだなぁ~な?リュウ」
「おぅ、じゃぁ一緒に帰ろうぜ?」
「あー…悪いっ」
「えっ…?」
ハルキは少し頭をかきながら、口にする。
「俺が待ってたのは…愛原なんだ…」