ユイの質問に、リュウは少しの間黙ってしまう。



そんなリュウを見て、ユイは思わず。



「……ごめんっ」



「えっ…?」



「なにか、聞かれたくない事情があるんでしょ?ムリには聞かないけど…」



「いや…?別に黙ってる程の事でもないよ、知ってるヤツもいるしな?」



するとリュウは、片手で砂を掴んでは落とすようにしながら、話し出した。



「俺さ、実は中学まで野球やってたんだよ?しかも、結構いい所まで行ってさ」



「そう…だったの?」



「あぁ」



「じゃぁ、どうして高校ではやらないの?」



「それはー…」



リュウは少し言いづらそうにした後、
右ひじを抑えながら。



「ヒジが壊れてさ、もう…全力投球は出来ないんだよな…?」



「……ヒジ……?」