「頼む瀬川っ、ちょっとでも出てもらえないか?」
「いや…それは無理だなぁー」
「じゃぁ、ピッチングコーチとしてベンチに入って下さいっ」
「いや…俺人に指示とか出来ないからっ」
「はぁー…やっぱりダメかぁー」
困った顔のリュウを見て、ハルキが部員達に言う。
「おまえら、だからダメだって言ったろ?」
「けどよー瀬川に出てもらえたら、次の試合勝てるかもしれないしよ…」
「リュウに頼るなって…」
ユイは会話の意味が分からずに、厨房に向かう。
「注文入りました~焼きそばとオムそば一つずつ~」
「あいよー」
伝票を置いて、リュウの方を見るユイ。
「なんだったの?さっきの…なんで瀬川が野球部に誘われてるの?」
でも、そういえば…。
瀬川こないだ、グラウンド見てた?
入りたいなら、入ればいいのに。
しかも勧誘されてるし。
どうして…?