「ほら、おすわりっ」


そう言ってリュウは、自分の座っている隣を叩く。


「犬かっ、私はっ」


「ぷっ…あははっ!」


私に体を向け、リュウは爆笑する。


「バカッ…」


小声でそう言って、私はリュウの隣に座る。


後ろには、ベッドが…。


気を紛らわすように、私はお茶を飲む。


気にするな…気にするな…。



再び視線だけ、辺りを見渡す。


すると、本棚に並んでた写真とトロフィーが目に入った。


「…あれ」


「えっ?」


そして私は立ち上がり、本棚へ向かった。


「ユイ…?」


リュウも立ち上がり、私の隣に立つ。


そこにあったのは、中学野球大会の、優勝トロフィーと部員達の集合写真だった。