そしてユイも帰ろうと下駄箱を出ると、クラスメイトの男子二人が階段に座り、なにやらバイト雑誌を見ていた。
「…ん?なにしてんだろ?あの二人」
ユイが二人の後ろにそっと近づく。
「なっ?ここいーだろ?海の家“ 夏風” 」
「おっ、いーな?近いしっ」
そんな会話にユイの足が止まる。
「……えっ?今、なんて?」
ユイの独り言には気づかずに、二人は会話を続ける。
「今日この後、二人で面接になってるからっ」
「おー!二人で稼ごうぜっ!」
二人がハイタッチしている所へ、ユイが声をかける。
「……あのさっ……今、なんて?」
ユイの声に、二人が振り向く。