「あっ…愛原っ」
そう言ってリュウがユイの腕を掴む。
「……な…なにっ?」
「これ、愛原にやるよっ」
「えっ…?」
リュウは自販機で買っただろう、ジュースをユイに差し出した。
とまどいながらも、ユイはジュースを受け取る。
「……なんで?」
「まぁー…これからもヨロシクってことでっ」
「……っ!」
「じゃぁーなっ?」
リュウはそう言って手を振り帰って行った。
ジュースを片手に立ち尽くすユイ。
ドキンッ…ドキンッ…。
なんで…?
なんで、ドキドキいってるの?
おかしいよ…私。
気のせい…だよね?
頭を左右に振り、ユイは家の中に入る。
一人、リビングでテーブルにジュースを置き、頬杖をついてボーッとする。
そして、リュウに掴まれた腕を見る。
「瀬川って…やっぱり、変な人…」
ー…。