期末テストが終わった帰りのバスの中、
ボーッと窓の外を眺めるリュウの肘を、ノブがつっつく。
「おい、リュウ」
「なんだよ?」
「なんだよ…じゃねーよ、もう…いい加減にしろよな?」
「…なにが?」
「愛原のことだよっ」
「……っ」
「そろそろ言ってもいいんじゃねーの?」
ノブの言葉に、リュウは何も言わず外を眺める。
「俺さ…考えてたんだけど、もしかしておまえ…初めて自分から好きになったんじゃないのか?」
「…はっ!?」
ノブの言葉に、リュウは少し驚いた顔で振り向く。
「だから、好きになってる自分に気づかなかった…とか?」