そして、あの暑い夏から一年。
ユイ達は三年生、高校最後の夏を迎えようとしていた。
三年生になってユイとリュウはクラスが別々になり、ほとんど顔を合わせる日はなくなっていた。
七月ー。
教室でマリカと話すユイ。
「それで、こないだ帰りノブくんが待っててビックリしましたわっ」
「へぇ〜?ノブくん頑張るね〜マリカはどうなの?」
「まだ、分かりませんわっ」
そう言ってニコッと笑うマリカ。
「あっそ…?」
まだって…結構経ってるけどな…。
「あっ、ユイちゃん、瀬川くんとノブくんですわっ」
「えっ…?」
マリカが廊下を歩いてく二人を指差す。
リュウの姿を久々に見て、ユイはドキッとする。
マリカを見つけて手を振るノブの隣で、
リュウもユイに向かって手を上げて合図をする。
それに、ユイも手を上げて返す。
いつもこんなやり取りだけを繰り返してきた二人。