そして、とうとう夏風の最後の営業日がやってきた。
「リュウくん、ノブくん、今日までホントにありがとうね?助かったわ」
「二人はよく働いてくれたよ、はいっ、これがラストの給料だ」
「ありがとうございまーす!やっほーい」
「ありがとうございますっ、お世話になりました」
二人はユイの両親に頭を下げる。
「もう家族みたいなもんなんだから、何かあったらいつでも言ってね?」
二人 「はいっ!」
そして、ユイとリュウ、ノブの三人は海の家の外に出る。
海にはもう、海水浴の客はいなくなっていた。
「なーんか、長いようで早かったなぁ~」
「…だな?」
「いろいろあったしなぁ~」
「はっ?」
「ノブくん、なんかあったっけ?」
「おいおい、俺もマリカちゃんとの恋がー…」
「あーはいはい、行こうぜ?ユイっ」
「あっ…うん」
「おい、待てよ~」