「私の…気持ち…」
ユイはゆっくり瞼を閉じる。
聞こえてきたのは…。
" ユイっ"
自分の名前を呼ぶリュウの声と、リュウの笑った顔。
そしてユイはゆっくりハルキの手の中から、自分の手を引いた。
「…ごめん…ごめんね?ハルキくん…私…ダメみたい、リュウが好きっ…」
ハルキはユイの言葉を聞き、置いてかれた自分の手を膝下に置く。
「うん…分かった、やっぱり人の気持ちなんて簡単に変えられないよな?」
「ハルキくん…」
「初めから分かってたのに、バカだよな?でも…今回ばかりはあきらめた方がいいみたいだな?」
「…えっ…」
…どういうこと?
ハルキは優しげな笑みでユイに向かう。
「ありがとう…一緒にいてくれて嬉しかった俺…」
ハルキの言葉に首を振るユイ。
「……私も」
ハルキくん…。
ホントに、ごめんなさい。
私ー…。
なにを、濁そうとしてたんだろう…?