リュウの言葉に、サクラは首を振る。



「でも、そっかぁー…今日が最後かぁ…」



そう言うとサクラが立ち上がった。



「サクラ…」



「もう…いいよ」



「えっ…?」



「もう…話すことはないよ?別れたよ?」



サクラの声は涙声になっていた。



「…サクラ」



リュウが立ち上がる。



「先に……行って?」



リュウはサクラの背中を見つめたあと、
視線を落とす。



「分かった…先に行くよ」



「うん…元気でね?」



「サクラも……じゃ?」



サクラは小さくうなづく。



そして、リュウはその場から先に離れる。



リュウの姿が見えなくなった所で、サクラは流れた涙をぬぐい、夏空を見上げた。



「あーぁ…終わっちゃったなぁ…」



リュウくん、



好きだったよ…。



ホントに、大好きだったー…。