そして二人はベンチに腰を下ろす。



まだ生暖かい風が吹く中、リュウが口を開く。



「……オレ嘘ついてた」



「…嘘?」



「あの日、ユイの家に泊まった日…何もなかったなんて…嘘だ」



「……」



「ホントは…俺からユイの手を握った、安心してほしくてほっとけなかった…」



「…手…」



「気づいたら…そうしてた」



「気づいたら…?」



「うん…」



「もう…無意識に気にしてたんだね?ユイちゃんのこと…」



「……サクラ」



「バカ…女の子は勘が鋭いんだよ?」



「ごめん…」