ある日、リュウとサクラが映画でのデートの帰り、ファミレスでドリンクを飲んでいた。
サクラは楽しそうに感想を話し出す。
「でね?さっきの所の二人が話すシーンなんだけど、私あれに感動しちゃって……」
話の途中でサクラの言葉が止まる。
目の前のリュウは手元のドリンクに手を置き、何か想いにふけている様だった。
「……リュウくん?」
「あっ、ごめん……うん?なんだっけ?」
「えっと…映画の感想…」
「そっか?うん…俺が良かったのは…」
リュウが話そうとする中、サクラが眉を下げてリュウに聞く。
「リュウくん…」
「…なに?」
「……なに、考えてたの?」
「えっ…なにって…映…」
「…誰のこと……考えてたの?」
「……っ」
サクラの問いに、リュウが言葉に出来ない中、
グラスの中の氷だけが、カランッと音を立てたー。